2022.02.02

ヘパリン類似物質の基礎知識

ヘパリン類似物質とワセリンが合体!保湿軟膏の特徴とおすすめの使い方

保湿有効成分であるヘパリン類似物質を、同じく保湿剤として使われるワセリンに配合したヘパリン類似物質軟膏が市販薬に登場しています。

ヘパリン類似物質軟膏の市販薬についてはこちら

ヘパリン類似物質保湿薬にワセリン軟膏タイプが登場!ドラッグストアで購入できる市販薬3つをご紹介 )

この軟膏タイプは医療用医薬品にもなかった新しい形のお薬です。医療用医薬品にもヘパリン類似物質配合の軟膏があるのでは?と思われるかもしれませんが、医療用医薬品の「ヒルドイドソフト軟膏®」は『ソフト軟膏』という名称ながら油性(W/O型)のクリームです。

(参照:ヘパリン類似物質油性クリームの「油性クリーム」ってなに?

こちらではヘパリン類似物質軟膏の使い心地や薬剤師おすすめの使い方をご紹介します。

 

1 ヘパリン類似物質が配合されたワセリン軟膏は医療用医薬品にもない新タイプ!

1.1 使い心地は?

ワセリン軟膏タイプはワセリンをベースとした軟膏です。使い心地はワセリンに近い感触で、グリセリンを含有しているので、ワセリンに比べてとろりと柔らかい質感です。ワセリンは皮膚から水分の蒸発を抑える、と同時に皮膚からの熱の発散も抑えるため、塗ったところはじんわりと温かく感じます。

1.2 ヘパリン類似物質配合ワセリン軟膏の構成成分

ヘパリン類似物質配合のワセリン軟膏の構成成分は、ヘパリン類似物質、白色ワセリン、グリセリン、グリセリン脂肪酸エステルのみ。とてもシンプルな処方です。ヘパリン類似物質、白色ワセリン、グリセリンがそれぞれ保湿効果をもち、高い保湿作用が期待できます。2021年に市販薬として発売された「フェルゼアプレミアムHPバーム」(発売元:ライオン株式会社)はこれに加えて血行促進を促すビタミンEを配合しています。

2 薬剤師おすすめの使い方

◎保護しながら保湿したい部位に

肌をうるおわせながら、摩擦や刺激から保護したい部分への使用に適しています。例えば、マスクと擦れて荒れがちな頬やあごなどに。また、冬のジョギングなどで衣服と乾燥した肌が擦れてかゆくなることを予防することもできます。

◎塗り直しが長時間できない部位に

乾燥は気になるけれど、日中なかなか保湿剤を塗り直しにくい部位(衣服に覆われている腕や脚のすねなど)にもおすすめです。ワセリンがベースになっているので長時間継続して肌にとどまります。

◎肌をつややかに見せたい部分に

クリームや乳液は塗った直後はつや感がありますが、乾くとつや感はなくなります。ワセリン軟膏は肌の表面に油の膜として長時間残るので、つや感が持続します。保湿しながら肌に光沢を与えたい部分にもおすすめです。

◎しもやけ予防に

ワセリンは皮膚から水分の蒸発を抑えるだけでなく、皮膚からの熱の発散も抑えるため、塗ったところはじんわりと温かく感じます。冬の通勤・通学や雪かき、ウインタースポーツの前に頬や手先に塗ることで、肌の乾燥と同時にしもやけも防ぎます。

 

使用するときは手のひらで温めると、軟膏が柔らかくなり、肌をこすらず優しく塗ることができます。特に気温が低い冬は軟膏が固くなりやすいため、手で温めてから塗りひろげましょう。

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この記事を監修したアドバイザ

へパペディア 編集部

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