2019.11.19

市販薬購入情報

ヒルドイドは市販で買えるの?ヘパリン類似物質が配合された市販薬を活用しよう

皮膚科などで処方される「ヒルドイド」は処方薬のため市販では買えません。しかし、ヒルドイドに配合される有効成分「ヘパリン類似物質」が配合された薬は市販でも多く販売されています。市販薬と処方薬の違いや市販薬で買える製品の種類を解説します。

1. ヘパリン類似物質は自分で買える?処方薬との違いは?

1.1 ヘパリン類似物質は市販薬としても販売されています

ヘパリン類似物質は保湿作用や血行促進作用をもつ有効成分です。ヘパリン類似物質が配合された処方薬(医療用医薬品)では「ヒルドイド」や「ビーソフテン」が有名ですが、これらは医師の処方が必要です。
しかし、ちょっとした肌の乾燥や手荒れなど、簡単な治療であれば市販薬で治したい。治療はしたいけど、病院は待ち時間が長く、受診する時間がない。同じ成分の市販薬があればいいのに…そう思っている人も多いのではないのでしょうか。
実は、ヘパリン類似物質が配合されている市販薬(一般用医薬品)は多数あり、病院を受診しなくても薬局やドラッグストアで購入できるのです。

(参照:ヒルドイドの有効成分ヘパリン類似物質を含む市販薬にはどんなものがあるの?

(参照:処方箋なしで購入できるヘパリン類似物質配合市販薬「ヒフメイド油性クリーム」公式ページ

1.2 成分や効果は処方薬と同じ?

市販薬に配合されているヘパリン類似物質は処方薬と同じ成分です。市販薬にも処方薬と同じ量(100g中0.3g)のヘパリン類似物質が配合されています(*)。そのため市販薬でも処方薬と同じ効果が期待できます。
*医薬部外品には同じ量のヘパリン類似物質は配合されていません。

(参照:ヘパリン類似物資の医薬品と医薬部外品の違いはなに?

1.3 副作用と注意点

ヘパリン類似物質は0歳の赤ちゃんにも処方されるほど安全な成分ですが、まれに皮膚の赤みや発疹、かゆみ、ピリピリ感などの副作用がみられる場合があります。これらの症状を強く感じたり、長引いたりするときは、使用を中止して医師、薬剤師に相談しましょう。
また、出血のリスクが高い病気をお持ちの方(血友病や血小板減少病、紫斑病など)や、出血やかさぶたがある部位への使用はひかえてください。

2. 市販薬にはどんなものがあるの?

2.1 市販で買える製品の種類

ヘパリン類似物質が配合された市販薬には油性クリーム、水性クリーム、乳液タイプのローション、クリアタイプのローションがあります。
処方薬で一番多く処方されているのは「ヒルドイドソフト軟膏」に代表される「油性クリーム」タイプです。市販薬を使用するときには、使いやい症状や部位によって使い分けることができます。

特徴/種類 クリーム
(油性)
クリーム
(水性)
ローション
(乳液)
ローション
(クリア)
保湿力
落ちにくさ
のびやすさ
用途 一部の酷い乾燥など 顔や手の乾燥など 全身の乾燥など 全身の乾燥予防など

「医薬品」として販売されている製品には処方薬と同じ量のヘパリン類似物質が配合されています。「医薬部外品」は医薬品よりも少ない配合量で、使用感を重視した製品が多いようです。また、「医薬部外品」にはニキビなどの炎症を防ぐ成分や美容成分が含まれているものなど、さまざまな種類があります。

(参照:ヘパリン類似物質配合の市販薬を使ってみました<クリーム編>

 

3. どこに行ったら買えるの?

3.1 ドラッグストアやインターネットで購入可能

市販の製品で多いのは「医薬品」です。ドラッグストアの医薬品コーナーや、通販サイト、製品を作っている企業のECサイトなどで購入することができます。

 

4.市販薬を上手に使おう

4.1 増加する処方量

厚生労働省の調査によると血行促進・皮膚保湿剤(※)の処方数量は、2012年度から2016年度までで約1.9倍に増加しています。薬剤料も349億円から515億円と増え、2018年には処方制限を検討されることにもなりました。

(※)平成30年度「特定の医薬品の薬剤料等の推移について」より。
薬効中分類『鎮痛、鎮痒、収斂、消炎剤』『血液凝固阻止剤』に該当する医薬品のうち、一般名がヘパリンナトリウム又はヘパリン類似物質である軟膏、クリーム等を集計対象としています。

4.2 病院で処方してもらうには時間がかかる

不調を感じて朝から病院に行ったのに、診察や治療を終えて、薬を貰って薬局を出る頃にはお昼だった…という経験をした人も多いのではないのでしょうか?もし、市販薬で治療できるような症状であれば、病院の待ち時間もなく自分で治療を行うことができそうですね。

4.3 セルフメディケーション―正しい知識で選択肢を増やそう―

セルフメディケーションとは、「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な体の不調は自分で手当てすること」とWHO(世界保健機関)で定義されています。
具体的には、日頃から自分の健康に関心を持ち、体調を崩さないように生活習慣を改善する、不調を感じたら早めに静養するなど、自分自身で健康の維持や病気の予防・治療にあたることです。
重篤な症状には医師の診断が必要ですが、軽度な症状であればかかりつけ薬局の薬剤師やドラッグストアで相談することができます。
正しい知識を身につけ、市販薬を有効に使いましょう。

へパペディアは、この記事の情報及びこの情報を用いて行う利用者の判断について、責任を負うものではありません。この記事の情報を用いて行う行動に関する判断・決定は、利用者ご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。

この記事を監修したアドバイザ

ヘパぺディア編集部

へパペディア編集部では、運営会社であるジャパンメディック株式会社の企画開発部メンバーなど、薬の専門家が記事の監修や執筆を行っています。