2020.01.30

ヘパリン類似物質の基礎知識

ヘパリン類似物質はなぜ肌にいいの?~尿素・セラミドとの違い~

保湿効果をもつヘパリン類似物質。尿素やセラミドなど他の保湿成分との違いを解説します。

1. ヘパリン類似物質の構造と保湿効果

ヘパリン類似物質は図のような構造を持つ成分ですが、水を保持する性質がある親水性部分を多く持つため、高い保湿力があります。このように保湿成分が自ら水分を持つことで直接的に保湿作用を示す成分を「モイスチャライザー」と呼びます。
ヘパリン類似物質はモイスチャライザーの中で皮膚への刺激が少なく安全性も高い成分です。

(参照: ヒルドイドなどに含まれる有効成分「ヘパリン類似物質」ってなに?)

 

2. 尿素の構造と保湿効果

尿素は図のような構造を持つ成分であり、親水性部分を持つ「モイスチャライザー」です。
体の中でも生成される成分であり、皮膚にも多く存在します。
医薬品・医薬部外品として昔から多く使われていますが、配合濃度が20%以上になると角質溶解作用(皮膚を溶かす作用)をもちます。

尿素が20%配合された医薬品の保湿剤は角質溶解作用をもっているので、敏感肌の人が使うときには注意が必要です。角質が厚くカサカサになっているヒジやヒザ、カカトの乾燥に使用するのがよいでしょう。

 

3. セラミドの構造と保湿効果

セラミドは図のような構造を持つ成分であり、それ自体には保湿効果を持たない「エモリエント」です。
皮膚の最も外側は角質層と呼ばれていますが、主に角質細胞及び細胞間脂質から成り立っています。角質細胞中には水分を保持する天然保湿因子が存在し、細胞間脂質は角質細胞どうしをつなぐ役目を持っています。セラミドは細胞間脂質を構成している成分の一つです。

セラミドは体内の水分を逃がさないバリア効果にすぐれていますが、それ自体は保湿効果がないため、モイスチャライザーとの組み合わせが必要です。

 

4. ヘパリン類似物質が肌にいい理由

ヘパリン類似物質は尿素より刺激が少なく、またしっかりとした保湿効果を持った成分なので、安心して使用することができます。

ご自身の症状に合わせて保湿剤を選び上手にスキンケア用品を活用しましょう。

(参照:ヒルドイドの有効成分ヘパリン類似物質を含む市販薬にはどんなものがあるの?

 

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